熱力学第0法則(熱平衡)

先程の記事で述べたように、熱力学第0法則とは熱平衡に関する法則です。


私たちは、温かい、冷たいという状態を表す量として、温度という量をよく知っています。また、温かい物体と冷たい物体を触れ合わせると、温かい方は温度が下がり、冷たい方は温度が上がるということを経験的に知っています。


この時、その状態で長い時間放置しておくと、系の温度が変化しない状態が来ることが想像できると思います。この状態を熱平衡状態といいます。


高音物質と低温物質を触れ合わせると温度が移動しますが、同時に熱も移動します。ここで、念のため温度と熱の違いを簡単に説明しておきます。



温度・熱の違い

温度とは、単位は℃(度)やK(ケルビン)の量です。私たちは普段暑い、寒いをこの量で判断しています。


それに対し、熱とは何でしょうか。

熱の単位は、J(ジュール)、cal(カロリー)であり、エネルギーの次元を持つ量となります。

カロリーとは、1gの水を1℃上昇させるのに必要な熱量(エネルギー)のことです。

この説明からも、温度とは全く異なるものであることが分かると思います。

(ちなみに、1cal=4.184Jです。)


図1 エアコンは、外部と「熱」を交換することによって、室内の「温度」を調節している。



単位の話を少ししましたが、物理を学ぶ上で単位に注目することは大事です。


単位の扱いに慣れれば、何か計算するときに計算ミスの確認も簡単に行えますし、数式を基に実世界の物理現象を想像しやすくなります。

これは実験、解析をする際に非常に重要です。

気になる方は、次元解析、などで検索してみてください。



まとめ

さて、高音物質と低温物質の間では熱の移動も伴うという話でした。今後の議論では、この熱が主役になってきます。

簡単でしたが、今回はここまでとします。次回からは本格的な熱力学の話に入ります。



機械工学の森

このブログは、機械工学専攻の院生である著者が、4力(材料力学、機械力学、流体力学、熱力学)を中心に学んだことをまとめていきます。

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